「弓道部はやめとけ」は本当?大変なところと続く人の共通点

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弓道部に入ってみたいけれど、「弓道部はやめとけ」という声を見かけて迷っている。そんな人ももしかしたらいるかもしれません。

東京で電車に乗っていると、弓を抱えた学生をよく見かけます。弓道を始める前から、なんとなく気になっていた姿です。あの子たちも、入部する前は同じように迷ったのかもしれません。

わたし自身は学生時代に弓道部の経験はなく、大人になってから地域の教室で弓道を始めました。そのため、弓道部の部活のことは、各地の高校が公開している弓道部の紹介や、経験者の声も読み比べたりしてわたしなりに整理してみました。

先に結論を書くと、「やめとけ」と言われる理由は主に5つありそうです。どれも本当の面はあります。ただ、基礎の期間や中らない時期は「入る前に知っていれば構えられる」こと、練習の多さや上下関係は「学校によってかなり違う」ことです。後者は、見学や体験入部で確かめられます。

印象だけで決めるのではなく、それぞれの理由を具体的に見て判断するのが良いかなと思います。もちろん、合う・合わないはあります。そこについても正直に書いていきます。

この記事でわかること
  • 「弓道部はやめとけ」と言われる5つの理由と、どこまで本当か
  • 入部から1年で、きつく感じやすい時期
  • 入部前に見学・体験入部で確かめたいこと
  • 入ってから「きつい」「やめたい」と感じたときの考え方
目次

「弓道部はやめとけ」と言われる5つの理由

ネットの声や経験者の話を見ていくと、挙がる理由はだいたい次の5つにまとまりそうでした。一つずつ、どこまで本当なのかを見ていきます。

理由1:最初の数か月は、的に向かって射てない

いちばんよく挙がるのがこれです。入部してしばらくは、弓を持たずに動作を覚える徒手(としゅ)、練習用のゴム弓、矢をつがえずに弓を引く素引き(すびき)、目の前の藁の束に向かって射る巻藁(まきわら)が続きます。

ただ、「弓を触らせてもらえない」というのは少し言いすぎです。素引きは本物の弓を引く練習なので、弓を持つ練習はあります。28m先の的に向かって射る「的前(まとまえ)」に立てるのが、7月ごろという学校が多い、というのが実際のところのようです。

この時期が地味に感じるのは、わたしも教室で同じでした(嫌という意味ではないです)。素引きや巻藁のあいだは、矢を的に向けて射ることができません。家でもできるゴム弓や素引きのことは弓道の筋トレと自宅練習にまとめています。

ただ、「基礎が先」というのはどのスポーツも同じ話かなとは思います。始めたばかりの人間がいきなり試合に出られる部活はあまりないですよね。

理由2:なかなか中らない時期が続く

そして的前に立てても、すぐに中る(あたる)わけではありません。弓道は4本をひと区切りにして射ることが多く、その4本がすべて外れることも珍しくありません。結果がはっきり数字で出る競技なので、そのぶん悔しさも分かりやすいのだと思います。

わたしも、思っていたよりまったく当たらない、というのが最初の感想でした。姿勢や手の角度のわずかなずれが、28m先ではかなり大きなずれになります。頭ではわかっているのに体ができない、という時期も長く続きます。

引ききったあとに伸び合って離れを待つ「会(かい)」を保てず、すぐに離れてしまう「早気(はやけ)」に悩む人もいます。そのあたりは弓道の早気とはで整理しました。

理由3:道具代がかかる

これは本当です。弓道部では弓は学校のものを借りるのが一般的ですが、弓道着(上衣・袴・帯・足袋)、ゆがけ(弽・かけ)、矢、小物は自分で揃えます。2026年10月時点で高校が公開している費用の案内では、弓以外で6万〜7万円の学校が多く、高い学校では10万円ほどでした。

ネットでは「3万〜5万円くらい」と書かれていることもありますが、いまの弓具店の価格で揃えると、それより上になることが多いです。学校によっては合宿代や大会の交通費も加わります。内訳は弓道にかかる費用で、道具ごとに整理しています。

理由4:練習が多く、夏は暑い(でも運動量は控えめ)

高校が公開している紹介を見ると、活動は週5〜6日、平日は放課後の2時間前後という学校が多いようです。土曜日も練習があり、大会の前はさらに増えることもあります。勉強やアルバイトとの両立が気になる人には、ここが一番の心配かもしれません。

もう一つ、意外と知られていないのが暑さです。多くの弓道場は的のある側が外に開いた造りで、冷房のない道場もあります。夏は暑さ対策が欠かせませんし、冬も袴と足袋で練習する部が多いようです。

その一方で、「走り回る部活に比べると、運動量が物足りない」という声もありました。体幹トレーニングや筋トレを取り入れている学校もありますが、たくさん体を動かしたい人には、少し静かすぎると感じるかもしれません。

理由5:礼儀作法や上下関係が厳しいと感じる人もいる

弓道は武道なので、道場への入り方、礼、弓や矢の扱い方など、決まった作法がたくさんあります。作法は「付け足しのルール」ではなく、弓道の稽古そのものです。射の技術以外のところも細かく教わるのが弓道です。

上下関係については、部によって雰囲気がかなり違うでしょう。2年生が1年生に一から教える、と書いている学校もあり、先輩との距離が近い部もあれば、もう少し上下関係がきっちりした部もあります。ここは実際に見に行くのがいちばん確かですね。

理由ごとの「本当のところ」早見表

5つの理由を、どこの弓道部でもほぼ共通のことか、学校によって違うことかで分けてみました。入る前に何を確かめればいいかも並べています。

言われる理由本当のところ学校による違い入る前に確かめること
的に向かって射てない最初の数か月は基礎の練習。的前は7月ごろが多いほぼ共通(時期は前後する)1年生がいつごろ的前に立つか
中らない時期が続く本当。4本とも外れる日も珍しくないほぼ共通(知っておけば十分)
道具代がかかる弓以外で6万〜10万円ほど(2026年10月時点)違う(合宿・部で揃えるもの)買う時期・購入先・合宿の有無
練習が多い・夏は暑い週5〜6日が多い。冷房のない道場もある違う練習日・休み・下校時刻・道場の環境
作法・上下関係が厳しい作法は弓道の一部。上下関係は部による違う先輩の教え方・部の雰囲気
各高校の弓道部の紹介・経験者の声をもとに整理

こうして並べると、基礎の期間・中らない時期・道具代は、どこの弓道部でもほぼ同じ。練習の多さ・上下関係・合宿は学校で違うことが分かります。共通のものは知っておく、違うものは見に行く。それだけで、「思っていたのと違った」はかなり減らせると思います。

入部から1年、きつく感じやすいのはいつ?

弓道部の1年は、学校が違ってもかなり似た流れになります。その中で「きつい」と感じやすい時期を図にしてみました。(あくまでも目安です。もし仮に一般化したら?というお話程度に見てください)

弓道部の入部から1年で、きつく感じやすい時期。4〜6月は基礎の練習が続く時期、7〜8月は的前に立ち始めるが夏の暑さと合宿がある時期、秋は中らない時期と新人大会、秋〜冬は初段の審査。山は最初の3か月と的前に立ってからの2つ

きつさの山は、大きく2つあります。1つ目は入部から的前に立つまでの3か月ほど、2つ目は的前に立ってから中らない時期です。そのあいだに夏の暑さと、学校によっては合宿が重なります。

そこを越えると、多くの部では1年生の秋〜冬に初めての審査を受け、初段を目指します。審査の中身は弓道初段の合格基準と審査内容にまとめました。

外し続けたあとに、一本だけきれいに中ったときの音と気持ちよさ。わたしの場合は、それが続ける理由になっています。部活の1年の流れや大会の時期は弓道部とはで詳しく書いています。

続く人・やめてしまう人の分かれ目

続く人は「中り」より「形の変化」を見ているかも

弓道は、中りの数だけを見ていると、伸びている実感が持ちにくい競技です。続いている人の声を読むと、今日は足踏みがそろった、引分けで肩が上がらなかった、といった小さな変化を楽しんでいる人が多い印象を受けました。

何度やってもできなかったことが、ある日ふっとできるようになる。そういう日が来るまで付き合える人は、中りが少ない時期も乗り越えやすいのだと思います。繊細な武道ですので、少しずつ少しずつの修練を楽しめるかどうか、だと思います。

「思っていたのと違った」というずれ

途中でやめた人の話を見ていくと、弓道そのものが嫌になったというより、「思っていたのと違った」というずれを挙げる声が目立ちます。すぐに的を射られると思っていた、もっと体を動かす部活だと思っていた、部の雰囲気が合わなかった、勉強との両立が大変だった、などです。

どれも、期待値とのずれですよね。このうちいくつかは、入る前に知っておくか、見に行くことで、ずれを小さくできます。この記事で理由を一つずつ見てきたのも、そのためです。

物足りなく感じるかもしれない人

正直に書くと、たくさん走って体を動かしたい人や、すぐに結果がほしい人は、弓道部を物足りなく感じることがあるかもしれません。それはどちらが良い悪いではなく、部活に何を求めるかの違いなのかなと思います。

運動が苦手でも大丈夫か、どんな人が合いやすいかは、弓道部とはの「向いている人・合わないかもしれない人」で整理しています。ちなみに、運動が苦手な人でも向いている部活だと思います。

入部前に、見学・体験入部で確かめたいこと

弓と矢を持つ手元

学校によって違う部分は、見に行けばかなり分かります。見学や体験入部のときに、次のことを見たり聞いたりしておくと安心です。

  1. 1年生がいま何をしているか:ゴム弓や素引きの段階か、的前に立っているか。的前に立つ時期の目安も聞けるとよいです
  2. 先輩の教え方と、部の雰囲気:練習中は静かでも、休憩中の様子で雰囲気が分かることもあります
  3. 練習日・休みの日・下校時刻:テスト前の練習や、長期休みの練習も
  4. 道具を買う時期と、だいたいの金額:入部前に先回りして買わないのが基本です
  5. 兼部や習い事との両立ができるか:気になるなら先に聞いておくと安心です
  6. 夏の合宿や遠征があるか:あるなら時期と、だいたいの費用も。夏休みの予定や、道具代とは別の出費にかかわります

道具は、ゆがけや矢のように手の大きさや腕の長さに合わせるものが多く、顧問の先生や先輩に一度聞いてから揃えるほうが無駄がありません。上衣の色や袴の種類を部で揃えている学校もあります。

保護者の方が確認しておきたいこと(費用・合宿・弓の持ち帰りなど)は、弓道部とはの「保護者が入部前に確認しておきたいこと」に表でまとめています。

入ってから「きつい」「やめたい」と思ったら

まずは顧問の先生や先輩、同じ学年の仲間に話してみる

中らない時期やスランプは、弓道をしている人ならだれもが通る道のようです。一人で抱えこまず、顧問の先生や先輩、同じ学年の仲間に話してみるのがいいと思います。先輩も同じ時期を通ってきているので、意外と具体的なアドバイスがもらえるかもしれません。

練習の量や、部活と勉強の両立のことも、顧問の先生に相談できる内容です。自分の射のことで悩んでいるなら、どこで困っているかを言葉にして伝えるだけでも、見てもらいやすくなります。

部活をやめても、弓道は続けられる

続けるか、やめるか。それは自分で決めていいことです。そのうえで、一つだけ知っておいてほしいのは、部活をやめても、弓道そのものをやめる必要はないということです。

地域の弓道連盟の初心者教室には、高校生から申し込めるものもあります。わたしが通っている教室にも、高校生から年配の方まで、年代の違う人がいます。大人になってから始める人も少なくありません。

わたし自身、大人になってから始めてみて、弓道は大人になってからでも入口がある武道だと感じています。部活が合わなかったとしても、いつか自分のペースでもう一度弓を引く、という道もあります。教室の探し方は近くの弓道教室の探し方に、大人から始める流れは大人から弓道を始めるにはにまとめています。

弓道部の「やめとけ」についてよくある質問

Q. 弓道部は楽しくないって本当?

最初の数か月の基礎の期間や、中らない時期を「楽しくない」と感じる人は確かにいるようでした。一方で、一本きれいに中ったときの気持ちよさや、団体戦で仲間と一本に一喜一憂する時間を楽しみにしている人も多いのも事実です。楽しさを感じるのは、的前に立ってからという人が多いのかもしれません。

Q. 勉強や塾と両立できますか?

練習日数と下校時刻しだいです。週5〜6日の学校が多いですが、時間や休みの日は学校によって違います。見学のときに、平日の練習が何時までか、テスト前は休みになるかを聞いておくと判断しやすいです。

Q. 経験がなくても、高校から始めて大丈夫ですか?

大丈夫です。中学校に弓道部が少ないため、高校の弓道部員の多くは高校から始めた人です。詳しくは弓道部とはにまとめています。

まとめ|「やめとけ」の理由は、入る前に確かめられる

「弓道部はやめとけ」と言われる理由は、基礎の期間の長さ・中らない時期・道具代・練習の多さ・上下関係の5つでした。

  • 基礎の期間・中らない時期・道具代は、どこの弓道部でもほぼ共通。入る前に知っておけば構えられる
  • 練習の多さ・上下関係・合宿は学校で違う。見学や体験入部で確かめる
  • 部活が合わなかったとしても、弓道の入口はほかにもある

迷っているなら、まずは一度、道場をのぞいてみてください。ネットの「やめとけ」より、自分の目で見た部の様子のほうが、ずっと確かな判断材料になると思います。

弓道部の1年の流れや費用は、次の記事でも整理しています。

弓道部とは|練習内容・1年の流れ・費用・向いている人
弓道にかかる費用|道具一式の相場・月謝・段位審査料の合計
大人から弓道を始めるには|教室の探し方・費用・最初の3か月の流れ

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この記事を書いた人

大人になってから弓道を始めた初心者です。以前は抜刀の教室に通っていました。道具の選び方も作法も、はじめは何もわからず調べる毎日。同じところでつまずく人のために、調べてわかったことを一つずつ整理しています。

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