中学生が弓道を始めるには|部活がなくても通える教室と探し方

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中学校に弓道部がない。でも弓道をやってみたい。そもそも中学生を受け入れてくれるところはあるのか。

こういったケースは、本人も保護者の方も、ここで止まってしまうことが多いと思います。

わたしも(大人になってからですが)弓道を始めようと調べはじめたころは、どこに問い合わせればいいのか分からず、観光向けの体験やほかの地域の教室情報を見ていました。大人でも迷うので、中学生ならなおさらだと思います。

先に結論を書いておきます。中学生でも弓道は始められます。中学の弓道部は少ないものの、部活がなくても「地域の教室・弓道会」「スポーツ少年団や中学生向けの体験会」という入口があり、高校の弓道部から始めるのも遅くありません。地域の教室は対象を「中学生以上」にしているところと「18歳以上」にしているところがあるので、まず募集の対象欄を見るのが近道です。

この記事は、全日本弓道連盟(全弓連)の案内と、各地の連盟・自治体が公開している募集要項をもとに、2026年11月時点で整理しました。

この記事でわかること
  • 中学生が弓道を始める3つの入口
  • 中学に弓道部が少ない理由と、ある学校の見つけ方
  • 地域の教室で、中学生が入れるかどうかの見分け方
  • 保護者が申し込む前に確かめておきたいこと
  • 部活がなくても出られる大会と、段位の審査
目次

中学生でも弓道は始められる|入口は3つ

年齢の決まりは基本的にない。ただ「弓を持ち運べる体」は要る

全弓連の「よくある質問」では、年齢や性別の制限は基本的にないとしたうえで、長い弓を持ち運べる身体と力は必要なので見学のときに相談してほしい、と書かれています。弓は2mを超える長さがあるので、たとえば小学校の低学年だと扱いにくい、というのはこのためです。

中学生なら、この点はあまり心配いりません。初心者は弱い弓から始めて、上達に合わせて体に合う弓に替えていく、というのも全弓連の案内にあるとおりです。小学生も含めた年代ごとの入口は弓道は何歳から始められる?にまとめています。

中学生の入口は3つ

中学に弓道部があれば入部するのがいちばん早いのですが、ない場合の入口は、大きく分けて次の3つです。

  1. 地域の弓道教室・弓道会:市区町村の弓道連盟などが開く初心者教室に申し込み、終わったら会に入って続ける
  2. スポーツ少年団・中学生向けの体験会:小学校高学年〜中学生を受け入れる団や、春休み・夏休みの体験会から入る
  3. 高校の弓道部から:中学では準備にあて、高校で部活に入る
中学生が弓道を始める入口。中学に弓道部があれば部活、ない場合は地域の教室・弓道会、スポーツ少年団や中学生向けの体験会、高校の弓道部からの3つ。教室は対象欄、少年団は受け入れの学年、高校は見学で確かめる

どれが正解ということはなく、住んでいる地域で選べる入口が変わります。教室が近くにあればそこから、なければ体験会や高校の部活を目標にする、という順番で考えるとわかりやすいと思います。

「4歳から」の教室は、短い弓の弓術のことがある

ちなみにネットで検索をすると、幼児や小学生から通える弓の教室も出てきます。ただ、そのなかには半弓(はんきゅう)など短い弓を使う弓術の教室もあります。「弓道」と「弓術」は異なります。弓の長さが違い、作法も弓道と同じとは限らないので、高校の弓道部や段位の審査につなげたいなら、申し込む前に「大弓を使う弓道の教室かどうか」を確かめておくと安心です。

中学に弓道部はある?少ない理由と、ある学校の見つけ方

弓道部のある中学は全国的に少ない

中学校の弓道部は、ほかの運動部と比べるとかなり少ないです。弓道部のある中学校は4校しかないという県もあるぐらいで、高校の弓道部の紹介でも「中学に弓道部が少ないので、高校から始める人が多い」という書き方をよく見かけます。

弓道は、射る場所と的を置く場所、そのあいだの安全な距離が要る競技です。校内に弓道場を持つ中学は限られるので、弓道部があるのは一部の学校です。私立や中高一貫校のほか、地域で弓道が盛んなところでは公立中学にもあります。

中高一貫校では、高校生と一緒に練習する学校もある

中高一貫校の弓道部の紹介を見ると、校内の弓道場で中学生と高校生が一緒に練習している学校もあります。高校生の射を毎日近くで見られるのは、中学から始める人にとって大きいと思います。

中学受験で選ぶなら、部活紹介で見ておきたいこと

弓道部のある中学を受験で選びたいなら、学校の公式サイトの部活紹介や学校説明会で、次のところを見ておくと入学後のずれが少なくなります。弓道部のある学校の一覧は、中学受験の情報サイトにまとまっているものがあります。

  • 弓道場の場所:校内か、近くの公営の弓道場まで行くのか
  • 練習の日数:中学生と高校生で日数や時間が違うか
  • 中学生の練習の内容:中学生も的に向かって射る練習(的前)まで進むか
  • 大会や審査:中学生の大会や段位の審査に出ているか

入口①|地域の弓道教室・弓道会に入る

募集の「対象」欄で、中学生が入れるかが決まる

部活がない中学生にとって、いちばん現実的なのが市区町村の弓道連盟や弓道会が開く初心者教室です。ただ、対象の書き方は教室ごとにばらばらで、中学生が入れるかどうかはここで決まります。

対象欄の書き方中学生は?
中学生以上/中学1年生から一般入れる。中学生だけ参加費を安くしている教室もある
小学生・中学生入れる。子ども向けのコースで、大人とは別の日のことが多い
高校生以上入れない。高校生になったら申し込める
18歳以上/高校生を除く入れない。大人向けの教室

同じ地域でも、連盟の教室は中学生以上、施設が開く教室は18歳以上、というように分かれていることがあります。ひとつ見て対象外でも、ほかの主催者の教室も探してみてください。

教室のあとは、弓道会(連盟)に入って続けるのが一般的

初心者教室は、開催時期は年に1回程度、コースは数回から十回ほどで終わるものが多いです。教室が終わったら、その連盟や弓道会に入会して続ける、という流れが一般的で、教室を受けた人だけ初心者として受け入れる会もあります。募集の時期を逃すと1年待つこともあるので、見つけたら早めに動くのがおすすめです。

入会したあとは、年会費と道場の利用料がかかるのが基本です。金額は連盟によって違います。大人の場合の流れや費用の目安は大人から弓道を始めるにはと弓道にかかる費用にまとめているので、あわせて見てください。

探し方は「通える弓道場」から

教室を探すときは、まず全弓連の「弓道を始めたい方」にある全国弓道場マップで、通える範囲の弓道場を見つけます。そこで稽古している連盟や弓道会のサイト、市区町村の広報に教室の告知が出ることが多いです。わたしも、マップで通える弓道場を見つけてから、そこで活動している連盟のサイトで初心者教室の募集にたどりつきました。

検索のことばや、告知が見つからないときの問い合わせ方は近くの弓道教室の探し方でくわしく書いています。

入口②|スポーツ少年団・中学生向けの体験会から入る

弓道のスポーツ少年団・ジュニアのコース

地域によっては、小学校高学年から中学生までを対象にした弓道のスポーツ少年団や、小中学生向けのコースがあります。練習は週1回の土曜だけの団もあれば、平日の夜も含めて週3回ほど練習する団もあります。弓具は団や教室で用意してくれるところもあります。

気をつけたいのは、新しく入れる学年です。少年団のなかには、新しい団員の受け入れを中学1年生までにしているところもあります。中学2年生以上だと入れないこともあるので、気になったら早めに問い合わせてみてください。探すときは、市区町村のスポーツ協会やスポーツ少年団のページに、加盟している団の一覧が載っていることが多いです。

春休み・夏休みの体験会

自治体や連盟が、中学生も参加できる体験会を開くこともあります。1日だけのものもあれば、春休みに数回続けるものもあり、参加費は無料〜千円ほどのものが多いようです。体験会のあとに初心者教室や少年団を案内してくれることもあるので、続ける入口としても使えます。

部活の「地域展開」で、弓道の練習会ができた地域も

中学校の部活動を地域のクラブに移していく「地域展開」の動きのなかで、区立中学の生徒向けに、地域の弓道連盟が指導する通年の練習会を始めた自治体や、地域クラブの種目に弓道を加えた自治体もあるようでした。学校に弓道部がなくても、こうした練習会が入口になることがあるので、住んでいる自治体の教育委員会のお知らせなども見てみてください。

予約できる体験施設は「観光向けの1回きり」

予約サイトで申し込める弓道体験は、観光や記念向けに1回で完結するプランで、続けて習う教室とは別ものです。対象年齢は10歳から、12歳から、14歳からと施設でばらばらで、中学1年生だと入れないプランや、18歳未満だけでは予約できない施設もあります。「まず一度弓を引いてみたい」というきっかけには向いています。くわしくは弓道体験ができる場所と東京の弓道体験・初心者教室で比べています。

1回だけ弓を引いてみるなら(アソビュー)

観光向けの1回で終わる体験です。続けて習う教室とは別なので、プランごとに弓道か弓術(短い弓を使う別の弓の体験)か・料金・対象年齢を確かめてから予約してください。中学生は年齢の下限と、子どもだけで予約できるかに注意してください。

入口③|高校の弓道部から始めるのも遅くない

近くに教室も少年団も見つからない、ということもあると思います。そのときは、高校の弓道部から始めるのも十分ありです。高校の弓道部は、高校から弓道を始める人が多い部活です。中学に弓道部が多い地域では経験者もいますが、初心者として入部する人は珍しくありません。部活の1年の流れは弓道部とはで紹介しています。

弓と矢を持つ弓道部員の手元

中学のうちにできること

  • 高校の弓道部を見に行く:学校説明会や部活の見学・体験入部の機会に、道場の雰囲気を見ておく
  • 体験会に一度出てみる:弓を引く感覚を知っておくと、入部の判断がしやすい
  • 体をつくっておく:特別なことより、姿勢や体幹を意識する程度で十分。家でできることは弓道の筋トレと自宅練習に
  • 言葉や作法を知っておく:弓道用語集や体配を読んでおくだけでも、入部後に話がわかりやすい

高校選びで弓道部を見るなら

高校選びの材料に弓道部を入れるなら、練習の日数、弓道場が校内にあるか、初心者がどれくらいいるかを見ておくとよいと思います。保護者が入部前に確認しておきたいことは弓道部とはに、「弓道部はやめとけ」という声が気になる人は「弓道部はやめとけ」は本当?にまとめました。

中学生が弓道を習うときに、保護者が確かめておきたいこと

地域の教室や少年団は、大人と一緒に練習することも多い場です。申し込む前に、募集要項か主催者への電話で次のことを確かめておくと安心です。

確かめることなぜ必要か
対象の学年と、保護者の同意18歳未満は保護者の承諾が要る教室がある。付き添いが要るかも聞いておく
住所・学校の条件「区内在住・在学」など、申し込める人が決まっていることが多い
曜日と時間帯・送迎平日の夜や土曜など、教室・少年団によって時間帯が違う。保護者の送迎が前提のこともある
保険参加費に保険料が入っているところと、保険には入らないと書いているところがある
道具と服装道具は道場や教室で借りられることが多い。最初は動きやすい服装と靴下でよい、という案内もある
費用教室の参加費のほか、続けるなら年会費・道場代・少年団の登録料などがかかる
教室のあと続けられるか教室が終わったあと、中学生も弓道会に入れるかは会によって違う

全弓連の案内でも、初心者は道場の弓具を使えることが多く、始めるのに基本的に費用はかからない、とされています。いきなり道具をそろえる必要はありません。

道具は借りて始めて、続けると決めてから

続けると決めたら、最初に自分のものをそろえるのは弓道着(上衣・袴・帯・足袋)と下がけくらいです。弓・矢・ゆがけ(弽・かけ)は高価なうえ、中学生は体が大きくなる時期なので、先生と相談しながら、採寸してから買うのが安心です。道具の全体像は弓道の道具一覧、弓道着の選び方は弓道着の選び方で書いています。

弓道着の初心者セット(上衣・袴・帯・足袋)

続けると決めたら、最初にそろえるのは弓道着です。翠山弓具店のセットは男性用5点・女性用6点(胸当て付き)。教室や部活で色や購入先の指定がないか、先生に確認してから選んでください。

部活がなくても、大会と段位審査はある

中学生の全国大会

中学生の弓道にも全国大会があります。全弓連が開く全国中学生弓道大会(JOCジュニアオリンピックカップ大会)は、2026年は8月に東京で開かれました。出場する選手は、都道府県の弓道連盟が選んで代表として認めた人です。県の予選のやり方は県によって違うので、通っている教室や弓道会で聞いてみてください。

もうひとつ、日本武道館と全弓連が開く全日本少年少女武道(弓道)錬成大会も中学生が対象です。こちらは学校だけでなく、都道府県の弓道連盟の会長が承認した団体でも出られる形になっていて、部活ではなく地域で弓道をしている中学生にも、大会に出る道があります。

段位審査に年齢の決まりはない

全弓連の審査規程には、受けられる年齢の決まりはありません。中学生のうちに級や初段を受けることもできます。審査は所属している連盟や弓道会を通して申し込むので、教室や会に入ってから先生に相談する流れになります。仕組みは弓道の段位一覧と弓道の審査とはにまとめています。

中学生の弓道についてよくある質問

Q. 運動部に入っていなくても大丈夫ですか?

大丈夫です。全弓連の案内でも、初心者は弱い弓から始めて、上達に合わせて弓を替えていくとされています。最初から強い力は求められません。

Q. 中学生だけで教室に通えますか?

「中学生以上」の教室なら通えますが、保護者の同意書が要ったり、送迎を求められたりすることがあります。決まりは教室ごとに違うので、申し込む前に募集要項か主催者に確かめてください。

Q. 費用はどれくらいかかりますか?

体験会は無料〜千円ほど、数回の初心者教室は千円台〜数千円ほどが多く、中学生の参加費を安くしている教室もあります。続ける場合は、年会費や道場代、自分の弓道着などがかかります。全体の目安は弓道にかかる費用を見てください。

Q. 半弓の教室で始めても、高校の弓道部で続けられますか?

半弓は弓道とは別の弓術で、弓の長さが違い、作法も同じとは限りません。楽しむ分にはよいのですが、高校の弓道部や段位の審査につなげたいなら、最初から大弓を使う弓道の教室を選ぶほうが遠回りになりません。

Q. 中学で始めておくと、高校の弓道部で有利ですか?

中学で経験した人が入ってくる地域もありますが、高校の弓道部は高校から始める人が多い部活です。経験の有無で有利・不利が決まるというより、入ってからの続け方しだいだと思います。中学で始められなくても、心配しすぎなくて大丈夫です。

まとめ|中学生の弓道は「入口」を選ぶところから

中学生でも弓道は始められます。中学の弓道部は少ないので、部活がなければ地域の教室・弓道会か、少年団や体験会、そして高校の弓道部から、の3つの入口から、住んでいる地域で選べるものを探してみてください。

  • 教室は「対象」欄で、中学生が入れるかを最初に見る
  • 少年団は、新しく入れる学年に区切りがあることも
  • 保護者は、同意・送迎・保険・費用を申し込む前に確かめる
  • 見つからなければ、高校の弓道部から始めても遅くない

教室の探し方の手順は近くの弓道教室の探し方に、年代ごとの入口は弓道は何歳から始められる?にまとめています。気になる教室が見つかったら、まずは見学の相談から始めてみてください。

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この記事を書いた人

大人になってから弓道を始めた初心者です。以前は抜刀の教室に通っていました。道具の選び方も作法も、はじめは何もわからず調べる毎日。同じところでつまずく人のために、調べてわかったことを一つずつ整理しています。

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