弓道の道具一覧|名前と役割・値段の目安を初心者向けに整理

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弓道を始めると、道具の名前が次々に出てきます。ゆがけ、下がけ、弦巻、ぎり粉、筆粉。漢字で書かれても読めないし、どれが必要で、どれをいつ買うのかも分からない。弓道部に入ったお子さんから「これ買って」とリストを渡された保護者の方も、同じところで止まるのではないでしょうか。

わたしも、教室で道具の名前が飛び交っていて、最初は何を指しているのか分かりませんでした。いまも弓・矢・ゆがけ・弦は教室で借りていて、弓道着は抜刀をやっていたころのものを着ています。自分で買ったものは、まだほとんどありません。

先に結論を書くと、弓道の主な道具は、弓・矢・弦・ゆがけ(弽・かけ)・弓道着の5つです。あとは弦巻やぎり粉といった小物。そして、最初から全部をそろえる必要はありません。

弓道の道具全般について、整理してみた記事になります。

この記事でわかること
  • 弓道の道具の名前と読み方、それぞれの役割
  • 道具ごとの値段の目安(2026年10月時点)
  • 弦巻・ぎり粉・筆粉など、小物の使いみち
  • 最初に買うもの、借りられるもの、買う順番
目次

弓道の道具は大きく5つ+小物

弓道の道具は数が多く見えますが、使う場面で分けると、次のように整理できます。

  • 身につけるもの:弓道着(上衣・袴・帯・足袋)、ゆがけ、下がけ
  • 弓まわり:弓、弦、握り革
  • 矢まわり:矢、矢筒
  • 小物:弦巻、ぎり粉、筆粉、弓巻、石突など
  • 練習用:ゴム弓、巻藁
弓道の道具マップ(身につけるもの・弓まわり・矢まわり・小物・練習用)

このうち、射るために欠かせないのが弓・矢・弦・ゆがけ・弓道着です。全弓連も、弓道の用具として弓と矢、弦、ゆがけ、弓道着や袴を挙げています。小物は、これらを使う・持ち運ぶ・手入れするためのもの、と考えると覚えやすいです。

なお「道具」「用具」「弓具(きゅうぐ)」は、どれも同じものを指しています。全弓連の案内では「用具」、弓具店では「弓具」と呼ぶことが多い、というくらいの違いです。

弓道の道具一覧表|名前・役割・値段・いつ買うか

主な道具を、役割と値段、借りられるかどうか、買う時期と一緒に並べます。小物は数が多いので、あとの章で別の表にしました。

道具役割値段の目安最初は借りられる?買う時期の目安
弓道着(上衣・袴・帯・足袋)稽古・審査・試合で着る服セットで約1.2万〜2万円自分で用意する最初。運動着で始められる教室もある
ゆがけ弦を引く右手を守る鹿革の手袋約1.8万〜3.2万円貸出がある教室もある続けると決めたら早めに
下がけゆがけの下にはめる木綿の手袋1枚160〜360円自分で用意するゆがけを使い始めるとき
矢的に向けて射るもの。6本組で買う約1.8万〜2.3万円借りられることが多い大人は1年ほど、部活は数か月
弓矢を飛ばす本体約3万〜5万円台借りられることが多い矢のさらに後
弦(つる)弓に張る糸。切れたら替える消耗品合成繊維の弦で1本約500〜1,500円弓を借りる間は不要自分の弓を持ったら
弓具店の通販サイト掲載価格をもとにした目安(税込・2026年10月)。矢はジュラルミン・七面鳥の羽根の6本組、弓はグラス弓

値段は、仕様やサイズで上下するので幅で書いています。買う時期は、弓具店が「こういう人が多い」と説明している目安です。教室や部活によって違うので、所属先の案内があればそちらを優先してください。

表を見ると分かるとおり、最初に自分で用意するのは弓道着まわりだけで、値段の張る弓と矢は後回しにできます。一式でいくらになるか、月謝や審査料まで含めた金額は、費用の記事にまとめました。

弓道にかかる費用|道具一式・月謝・審査料の相場

弓道着の初心者セット(上衣・袴・帯・足袋)

最初に用意する弓道着は、一式まとまったセットだと組み合わせで迷いません。翠山弓具店のセットは、男性用5点が14,740円、女性用6点(胸当て付き)が15,400円です(2026年10月時点・楽天市場・送料無料)。教室や部活で色や購入先の指定がないか、先に確認してから選んでください。

主な道具の名前と役割

ここからは、主な道具を1つずつ短く説明します。選び方まで知りたい道具は、それぞれの記事に進んでください。

弓(ゆみ)

弓道の弓は「和弓」と呼ばれ、長さの基準は221cm。大人の背丈よりずっと長い弓です。素材でグラス弓・カーボン弓・竹弓の3つに分かれ、初心者が最初に持つのはグラス弓が多いです。長さは、弓を引いたときの引き込みの長さ(矢束・やづか)で決まります。

弓道の弓の値段と種類|グラス・カーボン・竹弓の違いと選び方

矢(や)

矢は6本組で買うのが一般的です。棒の部分の素材はジュラルミン・カーボン・竹の3種類で、初心者はジュラルミンに七面鳥の羽根を付けたものから始める人が多いです。弓道着やゆがけと違って、矢の長さは人によって違います。自分の矢束に合わせて切ってもらうので、買う前に採寸が要ります。

弓道の矢の種類と値段|素材・羽根・長さの選び方

初心者向けの矢セット(6本組+矢筒+巻藁矢)

山武弓具店の近的矢3点セットは28,900円〜(2026年10月時点・楽天市場・送料無料)。矢の長さ(矢尺)は採寸してから注文してください。切った矢は返品できません。

弦(つる)

弓に張る糸です。麻の弦と合成繊維の弦があり、どちらも使っているうちに切れる消耗品。稽古中に切れることもあるので、予備の弦(替え弦)を持っておくのがふつうです。弓を買うと1本付いてくる店が多いので、弓を借りている間は自分で買う場面はあまりありません。

弓道の弦の種類とおすすめ|合成弦・麻弦の違いと交換時期

ゆがけ・下がけ

ゆがけは、弦を引く右手にはめる鹿革の手袋です。親指・人差し指・中指の3本を覆う「三つがけ」が、初心者の標準。手になじませて長く使う道具なので、サイズは自分で決めず、弓具店や先生に見てもらって選びます。

下がけは、ゆがけの下にはめる木綿の薄い手袋。手の汗がゆがけに染みるのを防ぐためのもので、全弓連も必ず付けるよう案内しています。こちらは洗い替えを含めて2〜3枚あると安心です。

ゆがけ(弽)とは|三つがけ・四つがけの違いと値段・選び方
弓道の下がけとは|役割・選び方・サイズ・洗い方

弓道着(上衣・袴・帯・足袋・胸当て)

白い筒袖の上衣(道着)に、黒か紺の袴、帯、白足袋。これが弓道着の基本です。女性は、弦が胸に当たるのを防ぐ胸当ても用意します。全弓連の案内では、この格好が原則で、初心者や学校の授業では動きやすい運動着でもよいとされています。わたしは抜刀のころの上衣と袴をそのまま使っていますが、これからそろえるならセットが手軽です。

弓道着の選び方|上衣・袴・帯・足袋の基本セットと相場

小物の名前と役割

名前を聞いても何のことか分かりにくいのが、小物です。初心者が1年のうちに耳にしそうなものを表にしました。どれも数百円から数千円で、必要になったときに1つずつ買えば足ります。

名前(読み方)何に使うか値段の目安
弦巻(つるまき)予備の弦を巻いて持ち歩く輪樹脂製600〜900円/籐製3,300〜5,500円
ぎり粉(ぎりこ)ゆがけの指先に付ける滑り止めの粉220〜550円
筆粉(ふでこ)弓を握る左手に付ける、汗の滑り止めの粉220〜550円
握り革(にぎりかわ)弓の握る部分に巻く革400〜1,700円
矢筒(やづつ)矢を入れて持ち運ぶ筒4,400〜5,800円
弓巻(ゆまき)弓に巻きつけて、傷や汚れから守る布1,800〜2,800円
弓袋(ゆぶくろ)弓を入れる布の袋600〜1,200円
石突(いしづき)弓の下の端にかぶせるカバー220〜990円
替え弦(かえづる)切れたときのための予備の弦1本約500〜1,500円
道宝(どうほう)弦の、矢をつがえる部分を作るときに使う木の道具550〜800円
くすね麻の弦に塗る補強用の接着剤440〜850円
弓具店の通販サイト掲載価格をもとにした目安(税込・2026年10月)

稽古のたびに使うもの(弦巻・ぎり粉・筆粉)

弦巻は、替え弦を巻いておく輪の形の入れ物です。弦は稽古中に切れることがあるので、予備を巻いて道場に持っていきます。昔ながらの籐(とう)で編んだものと、樹脂製の手ごろなものがあります。選び方と弦の入れ方は弓道の弦巻の選び方と使い方にまとめています。

ぎり粉と筆粉は、どちらも滑り止めの粉ですが、使う場所が違います。ぎり粉は松脂(まつやに)を煮詰めて粉にしたもので、ゆがけの指先に付けます。筆粉は、弓を握る左手に付けて、汗で弓が滑るのを防ぐもの。ぎり粉は右手のゆがけ、筆粉は左手、と覚えておけば混ざりません。

持ち運びと保管に使うもの(矢筒・弓巻・弓袋・石突)

自分の矢を持つようになると、矢筒が必要になります。矢を入れて肩にかける筒で、矢と一緒に買う人が多いです。長さや太さの選び方は弓道の矢筒の選び方にまとめています。

弓を持ち運ぶときに使うのが、弓巻・弓袋・石突の3つ。弓巻は弓にぐるぐると巻きつける帯状の布、弓袋は弓を入れる細長い布の袋、石突は弓の下の端にかぶせて、地面に当たるところを守るカバーです。店によっては、布の袋を「内袋」、その外にかぶせる革やビニールの袋を「弓袋」と呼んでいます。いずれも自分の弓を持ってから要るものなので、弓を借りている間は買わなくて大丈夫です。包み方や、電車・車での運び方は弓道の弓の持ち運び方|弓袋の選び方・電車のルール・保管にまとめています。

いまは名前だけ知っておけばいいもの(握り革・道宝・くすね)

握り革は弓の握る部分に巻いてある革で、弓を買えば最初から巻かれています。傷んだら巻き替えるものですが、それは自分の弓を持ってからの話です。種類や替えどき、巻き方は弓道の握り革の巻き方と交換時期にまとめています。

道宝とくすねは、弦の手入れに使う道具。道宝は、弦の矢をつがえる部分(中仕掛け)を作るときに使う木の道具で、くすねは麻の弦に塗る補強用の接着剤です。弓具店の説明では、くすねは合成繊維の弦には要らないとのこと。先輩や先生が使っているのを見て「あれが道宝か」と分かれば、いまは十分だと思います。中仕掛けの作り方と道宝の使い方は弓道の中仕掛けの作り方|太さの目安と位置・道具にまとめています。

道具の名前に限らず、稽古で耳にする言葉の読み方と意味は弓道用語集|稽古で聞く言葉の読み方と意味を場面別に整理にまとめています。

弓道に必要なものは?最初に買うもの・借りられるもの

道具の名前が分かったら、次に気になるのは「で、何から買えばいいのか」です。

初心者が学ぶ場合は学校や道場で借りられることも多いです。わたしの通っている教室も、弓・矢・ゆがけ・弦は貸出です。教室の探し方や、始めるまでの流れは「大人から弓道を始めるには」にまとめました。

弓具店が説明している買う順番は、弓道着 → ゆがけ → 矢 → 弓。大人から始めた場合の時期は、おおよそ次のとおりです。(人によるのであくまで参考と思ってください)

  1. 最初:弓道着(運動着で始められる教室もある)
  2. 続けると決めたら:ゆがけと下がけ。始めて数か月から半年ほどで買う人が多い
  3. 始めて1年ほど:矢(一緒に矢筒)
  4. 矢のさらに1年ほど後:弓(一緒に弓巻・石突・替え弦・弦巻)
弓道の道具を買う順番の目安(弓道着・ゆがけ・矢・弓)

これはあくまで目安で、教室の方針や稽古の進み方で前後します。ゆがけと矢は体に合わせる道具なので、買う前に先生か弓具店に見てもらってください。

最初から買わなくていいもの

弓と矢は、借りられるうちは借りて大丈夫です。合う長さや強さが分からないうちに買うと、あとで合わなくなることがあります。小物も、弓や矢を持ってから必要になるものがほとんどなので、先回りしてそろえなくて構いません。

巻藁(まきわら)も同じです。巻藁は、近い距離から矢を射込んで型を確かめるための藁の束で、弓具店では道場に置く備品として売られています。値段も本体だけで3万円前後するものが多く、個人で最初に買うものではありません。巻藁の種類や値段、自宅に置くときの条件は弓道の巻藁とはにまとめています。

弓道部の場合

弓道部では、弓と矢は学校のものを借りて、最初に弓道着とゆがけを買う、という流れが一般的だと弓具店は説明しています。3〜4か月たって慣れたころに矢、半年ほどで自分の弓を考える人が増えてくるとのこと。

ただし、何をいつ買うかは部によってかなり違います。学校や道場への出張販売をしている弓具店もあり、部でまとめて注文することもあります。保護者の方は、個別に買いそろえる前に、部からの案内を待つのが確実です。入部から1年の流れや練習の様子は弓道部とはにまとめています。

自宅で使う練習用具はゴム弓

家で練習するための道具として売られているのが、ゴム弓です。握りの付いた棒にゴムを張ったもので、全弓連も射法や射型の稽古に向いていると案内しています。値段は2,200〜3,900円など。部活では早い時期に買うこともあります。

弓道の筋トレは必要?家でできるゴム弓練習と体幹メニュー

弓道の道具についてよくある質問

Q. 道具は全部でいくらかかりますか?

弓を借りる前提なら、弓道着・ゆがけ・矢・矢筒・小物で約5.5万〜8万円が目安です。弓も買う場合は、ここに弓の値段(グラス弓で約3万〜5万円台)が加わります。いずれも2026年10月時点の目安です。一度に払うのではなく、1〜2年かけて順に買っていく金額です。内訳は費用の記事に書きました。

Q. 道具はどこで買えばいいですか?

弓具店の店頭か、弓具店の通販です。ゆがけと矢はサイズや長さを合わせる道具なので、近くに店があれば店頭で見てもらうのがいちばん安心。弓道着や下がけ、小物は、通販でも困りません。

近くの弓具店の探し方や、通販で買うときの条件は弓道具店の探し方|近くの店・通販・楽天の違いと選び方にまとめています。

Q. 中古や譲り受けの道具は使えますか?

弓道着は、サイズが合えば問題なく使えます。気をつけたいのは、体に合わせる道具です。ゆがけは手に合っているか、矢は自分の矢束に対して長さが足りているか、弓は長さと強さが合っているか。弓具店も、ふだん使っていない矢や人から渡された矢は使わないように、と注意しています。譲ってもらったら、使う前に先生に見てもらってください。

Q. 弓道とアーチェリーの道具は共用できますか?

できません。アーチェリーの弓は照準器などの部品を取り付けて使うもので、弓の作りも、矢も、手を守る道具も弓道とは別物です。

まとめ|道具は5つ+小物。最初に買うのは弓道着まわりだけ

弓道の道具は、弓・矢・弦・ゆがけ・弓道着の5つと、それを支える小物に分けられます。名前は多いですが、一度に覚える必要も、一度に買う必要もありません。

最初に用意するのは弓道着まわり。続けると決めたらゆがけ、1年ほどで矢、そのあとに弓。小物は、その道具を持ったときに一緒に買えば間に合います。道具ごとの選び方は、それぞれの記事にまとめています。

弓道着の初心者セット(上衣・袴・帯・足袋)

翠山弓具店のセットは、男性用5点が14,740円、女性用6点(胸当て付き)が15,400円です(2026年10月時点・楽天市場・送料無料)。上衣と袴のサイズは、商品ページのサイズ表で確認してください。

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この記事を書いた人

大人になってから弓道を始めた初心者です。以前は抜刀の教室に通っていました。道具の選び方も作法も、はじめは何もわからず調べる毎日。同じところでつまずく人のために、調べてわかったことを一つずつ整理しています。

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